宮城県の仙台に行くと、街中の土産物屋など至るところで「牛タン」の文字を目にします。
しかし、もともと仙台では牛の飼育が盛んだったわけではないのです。
日本で初めて牛タン焼きの店を開いたのは、仙台にある「味太助」という店の創業者である佐野啓四郎氏でした。佐野氏が牛タンと出会ったのは昭和10年頃、東京で日本料理の修行をしていた時のこと。
知り合いのコックが牛の舌ほどうまいものはないというので自分で焼いて食べてみたところ、あまりのおいしさに感動したといいます。
戦後、仙台にやってきた佐野氏は、大量に捨てられていた牛タンとテールを定食に。これが安くてうまいと評判になり、次々と他の店も真似をして牛タンを提供するようになりました。
ところで、牛タンの定食といえば麦飯がセットにつきますが、これは戦後、白米が貴重で麦飯しか食べられなかった頃の名残だそうです。
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